愛犬のオシッコの色がいつもと違って少し赤い。いつもより黄色い気がする。そこにもし重大な病気が隠れていたら怖いですよね。何か怖い病気の恐れがあるならすぐにでも動物病院へ行かなければ、そう思う飼い主さんが多いと思います。
怖い病気だったらどうしよう…そう思う前に、何が原因でオシッコの色が変化してしまうのかを知って、もしもの時に備えましょう。
今日は冬に注意したいオシッコのトラブルについて調べてみました。
【赤い尿は病気のサイン?】
赤っぽい色や褐色の尿が出たら、それはヘモグロビン尿かもしれません。
ヘモグロビンは脊椎動物や他の動物の血液中にみられる赤血球の中に含まれるタンパク質で、酸素を運搬する仕事を担っています。ヘモグロビンは赤色の色素を持っています。血管内の赤血球が何かの原因で壊れることで、ヘモグロビン自体が血液中に溶け出し、それが尿の中に排泄されます。この排泄された赤っぽい尿がヘモグロビン尿です。
ではなぜ血管内の赤血球は壊れてしまうのでしょう?
原因の一つに、急性フィラリア症が挙げられます。肺に存在するフィラリア虫体が心臓まで移動することにより心臓の機能に問題を引き起こし、結果、赤血球が破壊されます。
急性フィラリア症は放置すると発症から72時間ほどで死に至る病です。もし愛犬がフィラリア症だと以前から病院で診断されているなら、このヘモグロビン尿に気付いた時点ですぐさま動物病院へ行き、外科手術を受けなければなりません。
愛犬がフィラリア症でない場合、もう一つの原因はタマネギ中毒が考えられます。
冬場は愛犬も寒いだろうから、温かいものをあげたいと思いますよね。そのお手製料理にうっかりタマネギを使ってはいませんか?
タマネギ中毒は飼い主さんがお手製スープを愛犬にも飲ませてあげようと思って与えたり、玉ねぎを使った料理の残り汁をフードにかけて与えたりする事によって起こります。
タマネギやネギ、ニンニクに含まれる特定の化合物が赤血球を傷つけた結果、尿にヘモグロビンが出て、尿が赤や褐色になります。
タマネギを取り除いたスープでも、スープそのものにタマネギに含まれる化合物が出てしまっているので、貧血を起こしてしまうワンコもいるようなので注意が必要です。
【尿がいつもと違う】
尿の量が増えた時は、腎臓の病気やホルモン異常、メスの場合は子宮の病気である可能性もあります。
腎臓に問題がある場合、尿の色が水のように薄いこともあります。
逆に尿の量が減った時は、泌尿器系の病気やオス犬の場合前立腺の病気が疑われます。
尿の色が濃い時は水分不足や肝臓などに問題がある可能性があります。
薄い時は、水分の取り過ぎや上記の腎臓疾患、ホルモン異常が考えられます。
タマネギ中毒は冬場に起こりやすいですが、それ以外の尿の異常は季節を問わず起こります。普段から愛犬のオシッコの量、ニオイ、色は飼い主さんが把握しておくと異常に気付きやすくなります。
また、いつもとオシッコの状態や色が違う時はオシッコを写真に撮り、水分量や食べ物に異常がなかったかを確認して、できるだけ早く動物病院へ行きましょう。