猛暑の続く日本列島、今日もどこかで猛暑記録、いや酷暑記録が更新されるのでしょうか。
人間も、動物園の白クマや北の地域で育った動物には、過酷な日々ですね。
犬も、冬より夏を無事越えられるか、が問題となりそうです。
早朝の散歩では、前日の暑さのせいで道路上で干からびてしまった”ミミズ”の死骸があちこちにありますよね。
このミミズの死骸って、ワンコたちにとっては、特別なものなのでしようか。
散歩中に、見つけると吸い込まれるように近づいていきませんか?
そして、顔をスリスリとなすりつけようとします。
はたして、ミミズの死骸って『有害』ではないのでしようか?
皮膚の弱い犬、免疫力が低下している老犬やすぐに皮膚炎を起こしてしまう犬にとっても、「無害」なものでしょうか。
【ミミズの干からびた死骸に近づくわけとは】
ネコがマタタビに惹かれていくように、犬もミミズに惹かれるというわけがありました。
ミミズでも3種類あり、乾燥したミミズ、半生タイプ、まだ生きているミミズといったようにその犬によって好きなタイプがあるそうなんですね。
私達人間にとっては、どれにしても見てしまったら、「気持ち悪い」ということが先ですよね。
近づいて顔をスリスリなんて、とんでもないことです。
近づくわけは、犬にとって「とてもいい匂い(臭い)だから」なのです。
なすりつけようとするのは、そのいい臭い匂いを身にまとうことで、一体化する、他の動物から自分の匂いを嗅ぎつけられないようにして身を守るという、狼から受け継いだ偽装工作としての本能のひとつと言えます。
このことを昔の忍者は利用していたということが、ある本に載っていました。
ミミズを煮詰めて作ったもので犬を誘い出すということらしいのです。
【ミミズを食べても無害?】
ミミズ、見ただけで気持ちが悪いものですが、犬にとってはそんなことは関係なく、なかには食べてしまう犬もいます。
ミミズは、庭や畑を耕してくれる耕運機と言われています。
またミミズがいる土は良い土とも言われます。
ミミズには、体内に寄生虫も存在していますが、今のところ寄生虫が犬にうつったとか、中毒になったという話は出てないようです。
むしろ、土中の微生物を食べているミミズは、良質のたんぱく質という説も出ているほどです。
しかし、ミミズに何かがついているという可能性もあり、他の犬が排便をかけていった可能性も考えると、他の犬からでた寄生虫をもらってしまうこともあり、そういった意味では食べさせない、触れさせないようにした方が安心ですね。
また、大きな問題点として、ミミズを食べることで、「拾い食い」をする習慣もついてしまうかもしれません。
以前には、毒入りのエサを拾い食いして死亡したという事件もありますから。
食べさせないことが安心ですね。
【ミミズの意外な薬効の話】
私達にとって、気味が悪いミミズですが、こうやって調べとみると意外なことがわかってきました。
昔は、現代のように化学薬品がなかった時代、薬も今のように西洋医学での薬のように特効薬もはありませんでした。
薬効として、鎮静剤、頭痛薬、喘息、関節の痛みなど、主に痛みや解熱に効果があるようで、昔から今でも漢方薬としてその成分が使用されています。
【干物ミミズにもブドウ球菌はいる】
ブドウ球菌、マラセチア菌・真菌と同じように、どこにでも存在する菌類で、アレルギー性のアトピー皮膚炎をおこし易い犬にとっては、大敵のひとつです。
特に毛の色が白く、皮膚が弱い犬は、ミミズの死骸に近づいてブドウ球菌に感染することもあります。
食べても無害と言われていますが、免疫力が低下している犬、アレルギー性質の犬は、近寄らせない方が感染を防ぐ方法ということでしょう。
ミミズを食べなくても、死骸の周りにどんな菌類があるかわかれません。
匂いをかいだだけでも、鼻のまわりや皮膚についてしまうということもあります。
皮膚が弱く、少しの菌からでもアレルギー性の皮膚炎をおこす、こゆきは絶対に近寄らせないように注意しなければと思いました。
結論として、干しものミミズは健康な犬にとって、無害であることがわかりました。
またミミズの悲しいせつない一生もわかりました。
目もなく呼吸器を持たないミミズは、大量の水の中では生きられないので、台風や大雨の後、道路の側溝や水分を多く含んだ土中からはい出そうとして、アスファルトの道路の路面に辿りつきます。
でも道路の路面の温度は高温なため、命を落とすということなのです。
大雨の翌日道路のあちこちにミミズがいるのは、こんなわけがあったからでした。
今まで嫌っていたミミズですが、土を耕す仕事を持ち、でも大量の水により生き延びるために道路の路面に逃げて一生を終るというミミズの「はかなさ」を知りました。
今までとは違う目線でミミズを見ることができそうです。