先週、うちの犬を病院へ連れていった時のことでした。
その病院では、院長先生と勤務医師が3人ほどいる病院です。
動物病院として、これくらいの医師が常駐して勤務しているところは、大きな方に入るのでしょう。
いついっても、数時間待ち状態で込んでいます。
診察の結果、手術へと移行するような重篤な場合には、院長が診察してくれます。
手術後の入院設備もあり、数日間入院する場合は、夜間の当直の担当がいて容体の急変に対応してもらえるか? というところが一番心配ですね。
この病院では、休日の日でも誰かが常駐する形をとっているので、電話での対応も可能でした。
うちの犬の場合は、アレルギーからのアトピーの皮膚炎で、ここに通院してくる犬の症状の中では軽い方のでしょうね。
毎年春から秋にかけて受診することが多いので、すっかり勤務医師の担当になったようです。
診察室はガラス張りになっていて中の様子が見えるのですが、待合室からガラス越しにレントゲン写真の画像が見えてしまいました。
後ろ脚の片方が、膝の骨の関節が曲がってしまっていた画像でした。
事故に巻き込まれたのかもしれませんし、階段から落ちたのかもしれません。
院長先生はだいぶ長い時間をかけて、その犬を診察していました。
飼い主は、ただおろおろするばかりで、落ち着きません。
散歩での犬の友達の中で、最近聞くようになった症状として、膝の関節の脱臼や股関節のヘルニアの話題が多くなったような気がします。
小型犬で、脚も細く短い犬種のチワワ、フレンチブルドッグ、ミニチュアダックスフント、テリア系の小型の犬に多く見られ、入院手術したという犬もいました。
【症状は?】
後ろ足がO脚になったように膝が外を向き、両膝の間が大きく離れていました。
正式な病名は「膝蓋骨脱臼」といいます。
膝の皿の部分が外側にずれ、外れることによって起こるようです。
膝の皿が外にずれることに伴って、脚の筋肉と骨にも以上が出てきます。
症状が進行してしまうと、膝を伸ばすことができなくなるので、曲がったままで歩くようになります。
片足に発症した場合は、ケンケンをするように歩きますが、両足に発症すると、膝を曲げたままで「カエル」のような歩き方を両足でします。
この状態の前で早期発見し、治療すれば、良いのですが、放置してしまうと筋肉が固まり、膝の皿も外側に向いたまま固定されるようになります。
見た目にも痛そうに思いますが、犬自身は痛みは感じてないそうです。
後ろ脚を震えるようにして歩く犬もいました。
【原因】
小型犬の種類によっては、脚の細さと筋肉の量、骨格も先天的に遺伝している場合があるそうです。
階段から落下したり打撲したという外傷的なケガがない場合は、生後数か月の小さな時期から初期の状態で、発症する可能性もあるそうです。
【予防】
このような小型犬で、脚が細く短い犬は、家の中では階段を登らせたり降ろさせるということは、膝に負担がかかり外れることもあるので、高いところからのジャンプや階段の使用は禁止した方がよいでしょうね。
友人のヨークシャーテリアは、階段を登る時に、短い脚を無理に伸ばしたためと言われたそうです。
【治療】
多くの犬は、加齢と共に発症することが多いようです。
人間と同じで、骨密度の減少や、関節の摩擦に耐えられるほどのコラーゲンも不足したり、吸収補強できなかったりなど、発症する確率は高くなるようです。
治療として、曲がった関節の骨を削ったり、引っ張られて付着してしまった靭帯を切り、外れた膝の皿をはめなおすという大掛かりな手術なので、麻酔を使用します。
まだ年齢が若くて手術に耐えられる体力があるなら、手術して良くなる方法を選んでもよいでしょうが、ある程度の高齢な犬では、手術に対して体力が持ちこたえることができるかどうか、心配であり不安もあるので問題ですね。
麻酔でのショック反応を起こす場合もあるようですから、無理に犬に負担をかけるより、人間でいうところのガンの緩和療法のような治療方ができないかな、と思います。
小型犬以外にも、股関節や膝の関節に異常がみられるという場合もあるようです。
いわゆる体重の増加によって、脚の骨と膝の関節に負担がかかるという場合にも同じような症状が出てくるようですね。
知り合いの犬は、柴犬で20キロほどの体重でした。
散歩であまり歩かなったことに異変を感じた飼い主が病院で受診したところ、「体重の増加が原因で、脚に負担がかかってしまったことが原因」と言われたそうです。
そのため、その日から体重減少のための食事療法が始まったというのです。
最近、散歩で会いましたが、ほっそりとして7キロほどの減量に成功したと言っていました。
初期の段階で異変に気がついて良かったと思います。
今では、30分以上の散歩に戻ったと喜んでいました。
犬の世界も太り過ぎは、リスクも大きいようですね。
私達人間と同じです。
でも、確実に迎える犬の高齢化と介護、私達も覚悟が必要かもしれませんね。