朝は、めっきり涼しくなってワンコの散歩にはピッタリの季節になりましたね。
今までは、暑くて路面もヤケドしそうなくらいで歩くことも辛かったのかもしれません。
少し、遠くまで足を伸ばしてゆったりと散歩を楽しみたいですね。
そんな時、向こう側から一匹の犬が歩いてきます。
すると、遠い目で(犬の視力は弱い)顔を前につき出して、鼻をピクピクさせていませんか?
鼻は少し上を向き、ピクピクと動かし、空気中の匂いを必死に嗅ぎ分けていますよね。
そして、じーーっと集中して相手の犬を見つめています。
人間にとっては、不可解な動作ですが、これも意味があるのです。
【しぐさからの相性】
初めてのご挨拶の犬同士、相手のことがよくわからないので、耳は立ったまま、シッポは高く上げています。
頭は高い姿勢で、じっと相手の犬を見ています。
全身の毛が立って、脚に力を入れて、自分を相手より大きく見せようとしています。
・相性が悪い場合
目は開いたまま、攻撃的な目つきで相手の犬から目をそらさずに見据えています。
相手より大きく威嚇しようとして、高く上げたシッポは高い位置のまま小刻みに早く振ります。
また、はっきりわかるのが、鼻にしわを寄せて犬歯をむき出しにします。
この状況では、相手が好意を示して寄ってきても、片方が嫌いな場合では、片方の犬だけがこのような動作をします。
心の中では、「やっつけてやる!」という意味なのでしょう。
そして、相手の犬が、それに気がつかないで近づいてくると、飛びかかろうとします。
まるで、どこかへ行って!という感じです。
その結果、やっと気がついた相手の犬は、シッポは垂れ下がり、飛びかかられるかもしれない恐怖から耳は垂れ下がります。
そして姿勢を低くして立ち去ります。
いかにも「負けました、ごめんなさい、帰ります」と言っているかのようですね。
【拒絶する場合】
片方の犬は、相手の犬を良く思っていないので、飼い主の持つリードの範囲の自分のテリトリーに侵入して欲しくないことをアピールします。
まるで、向こうへ行って近寄ってこないで、と言っているかのようですね。
顔の表情は、口を開け歯を見せてうなっています。
「怒っている」という状態ですね。
そしてその時の相手の犬は、目線をそらし体の側面を怒っている犬の方に向けて、「ごめん、悪意はないんだよ」という意味で敵意がないことを相手に伝えています。
トボトボとその場を立ち去ります。
【仲がよいお友達の場合】
お互いが犬のことを確認しようと、首を前に出し耳を立て鼻を動かします。
シッポは上げたままです。
そして、お互い仲好しと確認できると、シッポを大きく振りかけよっていきます。
相手が女子の場合では、男子では、「くーん くーん」とせつないような甘い声を出す犬もいます。
これが、とてもかわいいですよね。
その時、耳は後ろの方に垂れ下がっていきます。
高く上げていた頭は下げて、姿勢を低くし、あまり表情が読めない犬の顔も口を開け、まるで嬉しくて微笑んでいるかのようです。
その後は、体の側面を相手に見せながら近づき、相手のお尻の匂いを嗅いで確認します。
相手の匂いをしっかりと確認、覚えて「挨拶、近況報告、体調の善し悪しなど」を、犬語で通じあっているのでしょうね。
おもしろいですね。
犬は、言葉という手段を使えないので、体で表すシグナルで「会話」しているわけですね。
これは、犬と飼い主との間でも言えることです。
自分のワンコとのアイコンタクトで、何を考え何を思っているのかがわかります。
アイコンタクトは、男子より女子の方が上手いかもしれません。
こゆきは、私とよくアイコンタクトで会話します。
「水がないよ」、夕陽を眺めながら「散歩はまだ?」、夫が帰ってきて駐車した時、嬉しくてキャンキャンいいながら、私の方を見て「ほら、おとうさんが帰ってきたよ」と振り返って知らせてくれます。
散歩中での、犬同士のしぐさを理解することは大切なことです。
自分の犬が今何を考えているのか、相手はどう出てくるのか、仲好くなれるのか、ということをわかっていなければ、それからの対処が違ってくるからです。
他の犬に危害を加えないように、しなければいけません。
ケガをさせてしまったら悔いが残ります。
犬の世界も縦社会ですよね、先輩と後輩の犬、立場をわきまえなければなりません。
そのためには、飼い主は、自分の犬との信頼関係をより深くしておかないといけませんね。