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犬の口の中は、ばい菌だらけ
咬まれた傷を放置は絶対NG!
犬に噛まれてこれくらいの傷、なんてことないなどと何の処置も受けない人・・・それはとても危険なことです。
飼い犬であれ野犬であれ、動物の口の中というのは雑菌の集まりなのです!
これくらいの傷などと軽く考えていたら、大変なことなります。
犬の口内菌について
犬の口内菌にはパスツレラ菌(常在菌として存在している)、カプノサイトファーガ属菌(唾液に含まれる)、と歯周病菌が存在しています。
又まれにコクシエラ菌、回虫などがいる場合もあります。
もし、犬にかまれたら・・・
犬に嚙まれた場合一番大切なことは、嚙まれた部位を水道水や生理食塩水などで十分に洗うことです。
患部に清潔なガーゼをあてて、傷の深さ、傷の範囲によって受診する病院を見定めて下さい。
自分が見た目の傷より、かなり深い傷になっている事がよくあります。
一般には外科をおすすめしますが、腱や骨までに達している場合は整形外科を。
創傷部位が修復不可能な場合は形成外科を。
傷が浅ければ皮膚科をおすすめします。
動物咬傷によりパスツレラ属菌という特殊な菌に感染することで、化膿し蜂窩織炎(ほうかしきえん)になりやすく、リンパ節が腫れたり発熱、全身倦怠感を伴う場合があります。
そうならないために化膿を防ぐ抗生剤の内服薬や、抗生剤の点滴を必要とします。
基本は傷に対して縫合手術は行わない事が多いのですが、その理由として化膿菌を体内にとどめず体外へ排出させる目的があるのですが、縫合をしないことで患部がきれいに閉じない場合があります。
あるドクターの見解によると、咬傷部位を密に生理食塩水で洗浄すれば、皮下を超えた深い又は広範囲な傷の場合は、縫合手術をする方が傷口がきれいに治ると話して下さいました。
とても怖いカプノサイトファーガ・カニモルサス感染とは?
犬、猫などによる咬傷・搔傷から感染し発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、腫脹、疼痛、頭痛、膿性の分泌物などの症状を伴います。
このカプノサイトファーガ・カニモルサス属菌の嚙まれてから発病までの潜伏期は1~8日です。
重症例では、劇症の敗血症や髄膜炎を引き起こす播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)や、敗血症性ショック、多臓器不全に進行して死亡に至るケースがあります。
治療方法
抗生物質、ペニシリン系や、テトラサイクリン系があります。抗生剤の点滴も行います。
また破傷風予防の為、トキソイドなどの予防注射を行うのが望ましいとされています。
まとめ
犬と過度の接触(えさの口移しやキス)をしたり、噛まれたり、引っ掻かれるなどして体調の変化があれば医師による診断と治療を受けることが大切です。
その他犬に触れたり、排泄物を処理した後は必ず手洗いやうがいを行って下さい。
ペットと食器を共有したり、口移しで餌を与えて犬の唾液を体内に取り込まないようにして下さい。
もし、嚙まれた場合は傷の処置と感染症の予防に注意して下さい。