今では、ドッグフードの普及と病院によるケア、シニア犬の健康診断などが発達しました。
私達の親の世代の犬たちの平均寿命と比べると、ずいぶん長寿になりましたね。
私の小さなころ、小学生のころでしたが、父親が大の犬好き人間でしたので、家には犬が飼われていました。
でもその時の食事は、今と比べるとお粗末というものに近いものでしたね。
今のようなバランスの取れたフードではなく、余った白いご飯に味噌汁をかけたようなものが殆どだったのではないでしょうか。
でも不思議なもので、そのころは食物アレルギーもアトピー性皮膚炎・ガンすら聞くことはありませんでした。
獣医師が不足していた分、そのような病気は、公に出てなかっただけかもしれませんが。
それとも、それが犬の本来の生まれ持った生きる力が素晴らしかったからかもしれませんね。
昔は、犬が亡くなったら共同の火葬場で火葬にしたうえで、共同墓地に埋葬するということが当たり前のようでした。
でも、ここ数年で様子が変わっています。
愛犬が家族の一員という「絆」はますます濃くなり、共同霊園に埋葬することを嫌う飼い主さんが増えているのです。
家の中にかわいい仏壇のようなものを設置し、そこに祀っていることも多くなっています。
家族と離れるのが不憫、かわいそう、寂しそうという飼い主さんの思いから、自宅に置いている家庭が多くなっているようです。
知り合いのところでは、今まで飼っていた5頭の遺骨を置いているそうです。
うちも先輩犬は、5年前に亡くしていますが、共同霊園に埋葬するのはためらっています。
少しでも家族の傍に置いておきたいという思いからでした。
実は、家の中に遺骨を残しておくということには、さまざまな諸説もあるようです。
【火葬】
よく、自分の家の庭に埋葬するという人もいますが、自治体によると火葬はしなければならないそうです。
自治体の動物の火葬場で焼いてもらいますが、その遺骨が「必要か不要」を聞かれることがあります。
不要という場合は、共同墓地への埋葬で、必要な飼い主さんには、ダンボールに入れて手渡されます。
人間の火葬の場合のように、骨壺は用意されていないのがほとんどです。
問題は、その火葬された遺骨をどのようにするかですよね。
動物の遺骨は必ず共同墓地に埋葬するという決まりはありません。
その後のことは自由なのです。
【家族の墓地に一緒に埋葬することもできる】
これは、墓地を持っているお寺と相談が必要です。
人間と動物を一緒にしてはいけないという宗派もあります。
また、現代ではペットも家族の一員という考えから、一緒に埋葬を承諾してくれるお寺もあるようです。
災害の時もペットと離れ離れになり、ペットロス症候群が発症して人が多かったことから、救助の要請でもペットを拒否することはできなくなったのです。
うちは、お寺と相談して一緒に埋葬できるという許可をもらいました。
お寺によって、ペットはお断りというところも多いようです。
やはり、私達人間と動物の霊は分けたいというのでしょうね。
決まりはないので、お寺・霊園と相談してペットが亡くなった後も安心できる方法を選んだ方がよいでしょう。
でも、家の中に動物の遺骨をおいておくと、悪いことが起きると言う人もいます。
お寺によって、四十九日までは、傍において、それが過ぎたら埋葬したほうが、愛犬もゆっくり休むことができるというところもあります。
犬は、亡くなったあとでも家族のことが気がかりでゆっくり休めないというのです。
犬も一緒の墓地
【人間も顔負けのペットの葬儀】
ペットブームを反映して、ペットの葬儀やさんまである時代ですね。
ペットも家族ですから、きちんと葬儀をして火葬~埋葬してあげたいものです。
因みにうちの場合ですが、先輩犬の時、葬儀屋さんに依頼しました。
ちょうど東日本大震災の時で、海沿いの動物の火葬場が被害にあって使用できなかったこともありました。
いろいろな業者がありますが、殆どは火葬場を持っていて、飼い主が自分で遺体を運び火葬してもらえます。
そして、動物の霊園を併設している業者もあります。
共同で霊園に埋葬するタイプ、犬それぞれに1つの墓地・墓石があるタイプがあります。
また、車で運び入れができない飼い主さんのためには、火葬専用車が自宅まで引き取りにきて火葬が終わったら、骨つぼに入れて渡してもらえます。
葬儀は、まるで人間並みです。
棺も用意され、顔の周りにお花を飾り、棺の中には好きな食べ物・お気に入りのおもちゃ・三途の川を渡るための小銭まで入れてもらいました。
宗派によらず、亡くなった愛犬の小さなころからのエピソードを交えて楽しかった思い出などを読み上げます。
私達が依頼した業者は、こんな感じでしたが、やはりプロだと思いました。
読み上げられた送りの言葉は、涙をそそるものでした。
こうして5年間、仏壇に遺骨を置いて祈っています。
家族の誰かが亡くなった時、一緒に墓地に埋葬してもらうつもりです。
さみしくないようにと。
それぞれの家族と愛犬が、一番休める方法を選ぶことが大切ですね。