いよいよ9月、食欲の秋となりましたね。
涼しくなった秋は、犬にとっても食欲が旺盛になります。
夏の暑い間、食欲が落ちていたワンちゃんが美味しそうに食べるのを見ると、ついついたくさんフードを食べさせてしまいがちになります。
また、いつもご飯を担当しているお母さんの他に、遊びにきたおじいちゃん、おばあちゃんなどが、むしゃむしゃ食べるワンちゃんを見るとつい、お菓子などをあげてしまうことがあります。
こんなことは、危険が潜んでいるみたいですよ。
【肥満が原因の病気】
太ってしまったことから、病気を発症、発見することもあります。
・クッシング症候群
症状・・・水をたくさん飲む、オシッコの量が多い、食欲旺盛なのに体重は減少する、体全体の毛が薄くなり左右対称に抜ける、お腹が腫れてくるなど
症状が悪化すると、元気がなくなり、一日中眠ってばかりの状態になります。
免疫が低下してくるので、膀胱炎や皮膚炎などに感染しやすくなってしまいます。
太ったように見える→膀胱炎などでお腹が腫れてきます。
糖尿病を発症する場合もあります。
原因・・・副腎皮質ホルモンの過剰分泌が原因です。
また、アトピー性皮膚炎の症状を抑えるために長期間にわたってステロイド剤を服用している時に、服用を突然中止すると、その副作用で併発する場合もあるようです。
アトピー性皮膚炎やアレルギー性の皮膚炎の治療のため、このようなステロイド剤で治療している犬にとっては、注意しなければならないことでしょうか。
予防として・・・
発症がすぐに命にかかわるほど、危険な病気ではないようですが、
早期発見、早期治療のようです。
食欲があり、体重は減少してやせてきているなどの様子が、飼い主にわかるようなくらいなら早期治療が一番です。
よく食べる、よく水を飲むが体重はそのままという場合は、当てはまらないと考えてよいのではないでしょうか。
うちのこゆきは、アトピー性皮膚炎やアレルギー性の皮膚炎の治療として、ステロイド剤を当初の診察で処方され、服用しましたが、服用して2~3日後に嘔吐と下痢の症状がでました。
病院へ連絡し、すぐに服用を中止し、別の薬へ変更してもらいました。
やはり、効果はあるけど副作用も強い薬なんですね。
・イノスリノーマ
症状・・・体重が増加する、食欲が旺盛になる
低血糖になるので、痙攣、虚脱、異常行動といった神経症状を起こします
原因・・・膵臓にできた腫瘍
この他に、見落としがちなものにクッシング症候群とは逆の副腎皮質ホルモン低下症という病気があります。
症状は同じように肥満や大量の水を飲むことなどですが、原因は副腎皮質ホルモンが低下しておこるものです。
シニア犬に多く発症するので、歳のせいで元気がない、歩かない、ぼんやりして眠ってばかりいるのかな~と思いがちですが、診察してみるとこの病気が発症していたということも多いようです。
健康診断をうけることも予防になりますね。
【犬はなぜくいしんぼう?】
ワンちゃんにご飯をあげた時、急いで食べてしまいますよね。
そんなに急がなくても誰も取らないよ、と思うのですが、そんなことはおかまいなしといった具合で、早食いで一気に食べてしまいますね。
実は、この行動は犬の祖先が「オオカミ」だったという証しなんです。
オオカミは、昔、狩りで生きていましたが、いつも獲物(食べ物)を取れるという確率も補償されているわけではないので、食べられない時は多かったといいます。
そのため、獲物が取れて食べられる時にたくさん食べておかないと、次はいつ食べられるのか?という危機感を持ってしまいます。
その危機感が、「犬」となった現在でも残っているので、食事は補償されているにも関わらず、与えた分だけ全部ペロリと完食してしまうのです。
人間から見ると、あとで夕ご飯もあるのに、と思っても犬にとっては、食べておかないと、という危機感が先に出てくるのです。
それで「くいしんぼう」と思われてしまうことになりました。
自分のペットのワンちゃんの「くいしんぼう」も肥満も飼い主の私達がコントロールしなければ、肥満からのたくさんの病気を発症してしまいます。
肥満は良いことは、少しもなく、悪いことばかりです。
食欲の秋とはいうけれど、私達もそれからワンちゃんも「おいしい誘惑」に負けないようにしないといけませんね。
食欲の秋ですが。