春は、家の中で犬の抜けた毛がたくさん落ちているのでしないでしょうか。
朝、掃除をしても、また夕方には家中、特に階段が「毛だらけ」というおうちも多いようですね。
掃除機の中のゴミの殆どは、愛犬の抜けた毛ということはないでしょうか。
犬では春と秋に毛の「換毛期」という時期があり、冬毛から夏毛へと抜け変わります。
ちょうど今頃の季節は、その換毛期のようです。
冬の間は、毛と毛の間に柔らかい綿のような毛がびっしりと生えていますね。
びっしりと「密」な状態に柔らかい毛が生えているので、雨が降っても皮膚まで濡れないようです。
その間に生えている柔らかい毛が、雨や雪を通さず、またこの毛によって寒さにも耐えられるのです。
そして春になると、柔らかい毛が抜け落ちて、毛と毛との間が薄くなります。
夏の暑さに向けての犬の対策のようですね。
【春から夏にかけての抜け毛】
このように季節の変わり目に毛が抜けるのは温帯より以北の地方の犬種です。
例えば柴犬、秋田犬など日本が原産の種類です。
この時期、もうすぐ抜ける毛は、周りより盛り上がっているので、引っ張ると簡単に抜くことができます。
散歩していると、公園の片隅などで飼い主がごっそりと抜いた毛を、見つけることがあります。
きっと自分の庭や玄関前などでは、抜きたくないのでしょうが、これもマナー違反ですね。
フンと同様に持ち帰っていくのが飼い主のマナーです。
友達のところで飼われた柴犬、家の中で飼っていたら、全く毛の抜け変わりをしなくなったそうです。
室内で飼われていると、気温の寒暖差があまりないので、換毛する必要がなくなったということでしょうか。
実は、犬の毛は季節に関係なく抜けていますが、秋と春に多く抜けるのは、その次の季節への対策でしょう。
暑さ対策、寒さ対策で日頃より大量に抜け毛が目立つので、この季節に抜け変わると思われてしまいます。
【抜け変わる要因は? 】
ちょうど春と秋は、日照時間が変わる時期で、寒さや暖かさも変わっていく時期です。
その微妙な陽の長さと気温を察知し、犬の毛は抜けて冬や夏の準備にかかるのです。
犬の体って不思議ですね、毛だけでもちゃんと季節の移り変わりを捉えているのですから。
ところが、前記の友達の芝犬のように日本犬でも、室内で飼っていたため全く換毛しない、あるいは反対に季節を問わずいつも毛が抜けるという犬も多いようです。
原因は、エアコンなどの普及により、室内でも一定の気温が保たれて、本来の換毛のサイクルが崩れてしまったということなのかもしれませんね。
【本来の毛の役割とは】
犬の「毛」の役割とはなんでしょう。
①ケガなどから体の内部、皮膚を守る
②雨や雪に濡れないようにする
実際、雨が降っても皮膚が濡れていることはありませんでした。
毛ではね返しているようです。
③紫外線などが直接皮膚に当たらないようにして、皮膚を守る。
直接皮膚に紫外線が当たると、皮膚が炎症を起こすこともあります。
一般的に、毛の色が白い犬は効果が薄く、皮膚炎をおこしやすく、またアトピー性皮膚炎も起こしやすいと言われています。
④二重に毛が生えていることで、体温調節をします。
日本原産の種類でも抜けなくなったというわけは、やはりエアコンなどの普及ですね。
犬にとって「毛」は、身を守るとても大切なものです。
【換毛しない犬とは? 理由は? 】
日本犬は、換毛しますが、しない種類はどんな犬がいるでしょう。
換毛しない種類は、洋犬が多いようですが、全く抜けないというわけではなく、抜けた毛が他の毛に絡まって落ちにくいということです。
換毛期があるかないかということで、抜ける犬と抜けない犬に分けられます。
トイプードル、ミニチュアシュナウザー、ピジョンフリーゼなど。
抜けた毛が毛の中に絡まるという巻き毛を持っているので、抜け毛で困るという心配はありません。
でも、長く伸びてしまい、巻き毛が伸び放題となるため、頻繁にカット、トリミングをする必要があります。
洋犬のなかでも、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどは換毛期があり、抜けます。
室内で家を飼うことが多くなった現代では、「換毛」という犬本来のサイクルを私達人間が壊してしまっているのかもしれませんね。