この話、初めて聞いたので、正直驚いています。
ちょうど、犬の消化器のところを読んでいて載っていたので、びっくりしています。
犬の消化器は、人間の私達とは役割が違っているようです。
私達は「歯」を使い、口で唾液を出して、ある程度細かく砕いて食道へ送り、消化を助けます。
胃で胃酸と胆のうから排出される胆汁いう消化液を出してさらに細かくし、小腸へ送り小腸では栄養素を吸収し、大腸へと送られた物から水分を吸収して排せつへと至ります。
その過程と役割が私達人間とは、かなり違っているようです。
【犬の消化器の役割】
人間では、主に小腸で吸収を行いますが、犬は主に胃で消化するようです。
犬の口は、歯を使って食べ物を細かくするというより、飲み込む、咬み切るだけの器官にすぎないようです。
食べ物は、食堂を通り胃に運ばれ、消化が始まりますが、この時大きなままで運ばれてきた肉の塊ななどを吐き出し、もう一度飲み込むということをします。
これは、昔のオオカミ時代からの本能が残っているようですね。
その後、胃で液状となった食べ物は、胃から小腸へと移動します。
小腸では、脾臓・肝臓から出る消化液の助けを借り栄養素を吸収します。
小腸で吸収されなかった食べ物は、大腸へ送られ水分と電解質を吸収されます。
その後、吸収されなかったものは直腸へと運ばれ、排せつされるというしくみが犬の消化の過程です。
【哺乳類で一番短い消化時間】
犬が食べ物を消化する時間は、哺乳類の中では最も短時間と言われています。
だいたい8~9時間で消化を終えます。
前日の夜、18時に夕食を食べさせれば、8時間後の5時までには消化が完了しているという計算になりますね。
ちょうど朝の散歩の時の排せつ物は、前夜に食べたものということになります。
これを知っておくと、便の様子をチェックするのに役立つのではないでしょうか。
6時に朝食に食べたものは、夕方には消化されているので、便の様子がおかしいな? と思った時には、さかのぼって食事を確認してみるのもいいと思います。
【犬の舌って味覚はあるの?】
愛犬の特別な日、バースディ・クリスマス・ひなまつりなどには、お母さんは特別メニューを作ってくれますよね。
今では、犬用の特注のバースデーケーキも用意してくれるお店もあります。
人間用に負けないくらい美味しそうでかわいいデコレーションがされていますね。
でも、そんな美味しそうなケーキや肉類でも本人の犬にとって「美味しい、いつもと違う」と感じることはあるのでしょうか。
味がわからないと、せっかく手間をかけて作ってもちょっとがっかりします。
そして、そんなごちそうの時には、ガツガツとあっという間に味わう時もないように一瞬のようにたいらげてしまいますよね。
まぁ、これも美味しいものは早く食べてしまおうという本能なのでしょう。
肝心の「味覚」は、一応あるようですね。
野生の時からの本能で、美味しいもの=安全、まずい=毒など有害なものという感覚が植え付けられているようです。
舌には、味蕾という味を感じる突起があるのですが、牛では25000、人間では10000、犬では1700というように、犬は極端に少ないのです。
そのため、私達人間ほど味に敏感ではありません。
生きるための最低限の味覚ということのようです。
【味覚はどんな風に感じる】
犬が感じる味覚というものは、甘い、しっよぱい、酸っぱい、苦い、水などに分けられます。
犬の味覚は、特にエネルギー源となる「甘さ」に多く反応します。
肉類の中に含まれる甘みも、生きるための必須のエネルギーとして捉えています。
反対に塩分に対しての反応は薄いようです。
塩分に鈍感な犬の舌ですが、塩分の取り過ぎは人間の成人病と共通しています。
私達が、ちょうどいいと思う塩分の濃度は犬にとって濃すぎるのです。
もし、飼い主さんが手造りでごはんを作っているのなら、塩分は特に注意しなければいけないところですね。
そして、犬は口の中で味覚を味わうことができません。
口の役割は、噛み砕いて胃へ送るための器官にすぎないのです。
よく、「ごちそうなんだから、もう少し味わって食べて欲しいな~」と思いがちですが、オオカミだったころから受け継いだ野生の本能で、目の前にある食べ物を早く食べてしまわないと、いつ襲われるかもしれないという思いなのです。
味わうということは、期待できないのかもしれませんね。
ここで注意しなければならないことは、ガツガツと早く食べたからといって、足りないというわけではないこと、あくまでも本能がそうさせるのであって、もっと食べさせようとすると肥満になり、人間同様成人病の恐怖が待っています。
少し、足りなかったかな~というくらいが適量なのではないでしょうか。