先週のことですが、早朝大きな地震があり、津波も発生しました。
被害は東北北部から関東の太平洋沿岸まで、まさか関東まで津波が来ると思ってもみなかったようです。
東日本大震災の時、多くの飼い主は外飼いの犬を鎖から離しました。
繋いだままだと津波に巻き込まれると思ったからです。
そして、後ろから押し寄せる津波から逃げまどう犬の姿も映像として残っています。
あの犬は、無事に逃げ伸びたのでしょうか。
もう5年8か月も経った今でも、脳裏からあの時の一瞬が離れることはありません。
どこかで、生きていて欲しい、と願うばかりです。
【あの時私達に教えてくれたことを教訓に】
犬は、その本能で地震がくることがわかるようです。
微妙な電磁波の異常、空気の振動、地面の僅かな振動などを感じ取ることができます。
犬に限らず、地震がくる前にはカラスなどが異常なほど、飛び立っていきます。
これも、自然界で生きてきた動物の本能がそうさせるからなのでしょう。
犬に関して言えば、今までおとなしく寝ていた犬が、突然起き出し吠えはじめて走り回るなどの異常な行動です。
この時、飼い主に「何か危険なことが起こるよ」と知らせるように飼い主の目をじっと見つめながら吠える犬もいます。
もともと犬が吠えるのには、理由があります。
よく言われる「むだ吠え」というものは犬に限って言えば、ありません、何かを訴えているのです。
危険を予知して犬が吠える理由として、生物学的に考えると電磁波の異常や地面の振動が恐怖とストレスとなり、興奮させ警戒を促しているとされているようです。
犬は、電磁波の異常で地震を察知しますが、その震度は犬により多少違いはありますが、だいたい震度5くらいで反応するようです。
また、飼い主に忠誠心のある犬が、噛みついたりという行動をとることもあります。
これは、恐怖とストレスと警戒心が強くなり、コントロールができなくなったためだと考えられています。
また、普段の散歩の時間でもないのに、外へ行きたがるという行動も注意する必要があります。
犬が、予知した結果のいつもと違う異常な行動のひとつです。
この異常な行動パターンを観察すれば、ある程度心の準備もできますね。
【敏感に反応する犬の種類とは】
犬によって、反応する、しないはまちまちですが、敏感に反応する種類として、シベリアンハスキー、秋田犬、柴犬などがあげられています。
小型犬では、地震の予知能力ではなく、地震がきてから震えるということが多いようです。
また年齢では、若い方が敏感であり、高齢になると耳の聴力も衰えるので、反応が遅くなるかもしれません。
【緊急の時に私達ができること】
室内で飼っている犬は、地震がきた時、家族がパニックとなってしまい、犬が家から外へ出てしまうという危険性があります。
犬にとって家の中は「危険」と感じたのでしょう。
うちで飼っている犬も、地震の時だっこしていましたが、ある程度揺れも治まり片づけをした時に、外へ出て道路を歩いていました。
玄関のドアを開けたままにして片づけをしていたので、家は危険と察知して逃げようとしていたのでしょう。
近所の人が見つけて連れて来てくれたので、助かりましたが、あのままどこかへ行ってしまっていたらと思うとぞっとします。
そのためにできることは、トレーニングです。
クレートという持ち運びができる犬用のゲージのようなものです。
地震! となったらすぐにクレートに入るトレーニングをすることで、迷い犬になることを防ぐことができます。
また、持ち運びができるという点から、避難する時には便利なものです。
このトレーニングには、おやつで訓練します。
うまく入ったら、おやつを与えるという方法のトレーニングを繰り返します。
トレーニング中では、中に入りおやつを食べている間は閉めておき、食べ終わったらドアを開けます。
ドアを開けることで、閉じ込めるのではないよ、いつでもドアは開くという安心感を与えます。
こうして、クレートの中でも安心して過ごせる場所ということを、覚えさせておけば、地震や災害の時に自分から入るようになるでしょう。
また、犬が1人でお留守番の時のように、クレートが準備できない咄嗟の地震の場合に備えて、家の中で犬にとって安全で犬自身も安心できる場所を確保し、作って上げることも良い方法です。
例えば、ダイニングテーブルの下がお気に入りならその場所、冬ならこたつの中とか、犬は狭い場所が好きです。
頑丈な4本の柱に囲まれている人間用のトイレの空間も安全です。
周りに、倒れるような家具がないか、確めた上でこのようなワンコの安心スペースを作るのもいいことですね。