大阪のある市でのことですが、「犬の特別住民認定書」という証明書の発行に踏み切ったそうです。
その陰にあったもの、実はこの市では、狂犬病の予防接種の実施率が全国平均を大幅に下まわってっていたためでした。
【犬の登録制度と狂犬病の接種義務】
ネコと違い、犬に関しては生後91日を経た犬は、飼い主は各自治体に登録し、狂犬病の予防接種を受けさせなければなりません。
これは、法的に定められているものです。
確かに国内では、ここ何十年と狂犬病が発生したことは記録にありません。
また狂犬病が人間に感染したという記録もありません。
でも100%ないということは、言いきれないのが現状なんです。
その犬が海外から輸入されてきた場合、国内に持ち込まないという保証もありません。
空港で検疫を受けることになっています。
感染すると間違いなく「死亡」に至るという狂犬病、自分の飼っている犬の責任を負うことは、飼い主として最低限の義務となります。
犬の登録に関しては、畑を荒らす、倉庫に入り食べ物を食べている犬が飼い犬なのか、を判断する基準となります。
野良犬と思って捕獲してみたら、首輪をつけていたとすると、飼い犬で逃げてしまったということになり、飼い主が現れないと、7日間経過すると殺処分という最悪な結果を招いてしまいます。
狂犬病予防接種の際に、番号が入った犬の鑑札によって登録と予防接種済という証明がされます。
また、行政の自治体によって、シールも作られているところがあり、家のポストや玄関に貼ることとなっています。
最近では、こんなにかわいい鑑札とシールも発行されている自治体があります。
以前とは、比較できないほどおしゃれになりましたね。
【犬の特別住民認定書とは】
脱走、迷い犬として捕獲されると保健所などに収容されますが、この時にこの登録証明書があれば、至急、飼い主と連絡ができます。
きっと飼い主も必死な思いで、心当たりの場所を探しているのでしょうが、転居して間もない、あるいは雨が降ってしまうと犬としての自分のテリトリーとしてのマーキングが消えてしまい、家に戻れないということにもなりかねませんね。
ここの自治体では、全国で初めてこのような認定書を発行したようです。
【認定書を発行してもらえるにはどうすればいいの?】
ここの自治体では、狂犬病の予防接種時、登録して鑑札をもらった時に申請すれば無料で発行してもらえるそうです。
必要事項として、犬の名前、性別、生年月日、飼い主の名前、犬の登録番号、予防接種の記録が必要です。
また犬の写真も必要となります。
予防接種の当日に発行されるものではないので、予め保健センター、保健所などの窓口に行って相談し、申請することになります。
大きさとしては、名刺くらいのもので、免許証と同じサイズと考えてもよいでしょう。
何通か作成し、飼い主保管、保健所保管などにすれば、ミッシングドッグになる確率も殺処分になる確率も減少し、飼い主も愛犬も悲しい思いをしなくて済むのではないでしょうか。
【全国的にも認定書を発行している自治体は?】
大阪のI市が最初に取り組んだものですが、現在では、横須賀市、京都市、東京都内、さいたま市など多くの自治体が取り組みを始めています。
全国的にもっと拡散して、少しでも「命」が救われればと願うだけです。
【最近呼んだある本から】
ボクは、言葉をしゃべれない、でも飼い主を信じて待っている。
ボクは飼い主の感情がわかる、だからもう泣かないで。
飼い主が嬉しいのが、家族が笑って生活しているのが、ボクにとって一番の幸せなんだと。
ボクは、飼い主のお父さん、お母さんの優しかったこと、散歩したあの道、全てを忘れないでいるよ。
家族になれてボクは幸せだったんだ。 ありがとう・・・。