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なぜ?ことわざに犬を使う必要があるのか
犬を使ったことわざは意外と多いでのす。犬の性格や犬の行動、犬との深い関係を中心に、本来の犬とことわざの意味を関連付けてみました。
犬の長所と短所
■長所について
記憶力、適応力に優れている
パートナー精神があり、学習能力が高い
行動力、行動範囲の広大さ、警戒心が強い
群れを守り、縄張り意識が強い
忠実、誠実、従順である
全身で感情を表現する
人間社会に適応でき、主人を守りぬき信じる
■短所について
吠える、咬む、体毛が抜ける、散歩が必要
長所は驚くほどあります。
短所は犬のその時々の状況判断を現しています。
あとは人間の怠慢ですね。
一般的によく知られている犬を使ったことわざ
犬猿の仲
犬猿の仲とは、犬とサルの仲が非常に悪いことの例えです。
元々犬とサルの性格は違います。違うから相反するのです。
犬は縄文時代から人間と深い関係を持ってきた動物です。
狩猟(ハウンド)があり使役(ワーキング)がありました。互いに必要としていたのです。
しかしサルはその昔、人間と共に歩んできていないのです。山からおりてきては人間の生活を脅かす動物で、互いに必要としていない相手だったのです。
そして、その人間の生活を守る役目が犬なのです。
だから、このことわざができたのですね。
しかしこの三者には共通点があります。仲間との絆が深く縄張り意識が強い動物なのです。だから、鬼退治に行けたのでしょうね(笑)
このことわざは、犬が持っているパートナー精神の現れですね。
負け犬の遠吠え
負け犬の遠吠えとは、弱い犬が相手から遠く離れたところから尻込みしながら吠えたてることから、主に勝ち目のない相手を陰で罵ることの例えとして使われます。
本来犬の遠吠えとは、ストレスを解消したり、楽しいから、寂しいからと色んな理由がありますが、このことわざによる負け犬と言うのは仲間との交信の為だったり、他の犬に異変を知らすためでもあるのです。
このことわざは、犬が持っている状況判断能力を指しているのでしょうね。
犬も歩けば棒に当たる
犬も歩けば棒に当たるとは、人に棒で殴られると言う意味で、本来は犬がうろつき歩いていると、人に棒で叩かれるかも知れないと言うところから、でしゃばると災難にあうという意味である。
現在では当たるという言葉の印象から、何かをしている時に思いがけない幸運があると言う意味で使われています。
このことわざは、犬の行動力や範囲の拡大を物語っています。
その他の犬に関することわざ
その他のことわざとその説明です。
犬の長所となっているところが古くからのことわざに使われています。
★尾を振る犬は叩かれず
しっぽを振ってなついてくる従順な犬に対して叩く人などいないという意味従順服従
★所で吠える犬はない
どんな意気地のない者でも自分の縄張りでは、強そうに振る舞うという意味縄張り意識
★犬馬の心、犬馬の労
主君に対して忠節をつくし恩に報いようとする心、主人のために忠実に仕えるという意味主人を守り信じる
★犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
犬は三日飼っただけでも三年間その恩を忘れない、まして人は恩知らずであってはならないという意味記憶力、忠実、誠実、従順
★一犬虚に吠え万犬これに和す(いっけんきょにほえばんけんこれにわす)
一匹の犬が何かの影を見て吠えると、あたりのたくさんの犬がその声につられて吠えたてるということから、誰かがいい加減なことを言い出すと多くの人がよく確かめずにそれを言いふらすことを言う警戒心、縄張り意識
★吠ゆる犬は打たるる
じゃれつく犬は打たれないが吠えつく犬は打たれる、つまり人間でも慕ってくるものは可愛がられるが手向かう者は憎まれるということ体全体で感情を表現する
★尾を振る犬は叩かれず
従順な者には誰も酷いことはしないという意味忠実、誠実、従順、パートナー精神
★噛み合う犬は呼び難し
喧嘩している犬はいくら呼んでも来ないように、自分のことで夢中になっている人は何を言われても耳には全く入らないこと体全体で感情を表現する、行動力
★飼い犬に手を噛まれる
日頃から可愛がり面倒を見てきた者から、ひどく裏切られたり害を受けたりすること状況判断能力
最後に飼い犬に手を噛まれる・・・これはもう・・人間にとっても犬にとっても、とても悲しい出来事です。
これは短所である咬むと言う行動です。
でも、咬むには必ず理由があったはずですよね。
犬を使ったことわざのまとめ
今回ご紹介した犬を使ったことわざは、ほんの一部分です。犬の持っている本能の優れた部分を象徴したことわざを選びました。
そして古代から現代に至るまでの人間と犬との絆の深さを知ることができました。
又人間と犬はいつの世もお互いを慈しみ、支え合う良きパートナーであったと言うことがわかりました。