夏も終わり涼しくなってきましたが、まだまだジメっとした日もありますよね。
私たちがこのジメジメした気候に弱いように、ワンちゃんもやはり苦手なようです。
特に長毛種や耳の垂れた犬種には嫌な時期、気になるのは外耳炎や皮膚病です。
我が家のシーズー「こうめ」(♀1歳半)も、もしかしたら…と思っていましたが、予感的中「マラセチア」にかかってしまいました!
「かゆいよぉ~」
マラセチアとは:
「マラセチア性皮膚炎」
マラセチアは酵母菌の真菌(カビ)の一種で、健康なワンちゃんやネコちゃんの皮膚にも常在しているものです。
しかし、湿度や脂質の多い場所を好むため適した環境になるとどんどん増殖してしまい、皮膚炎や外耳炎を起こしてしまいます。
こうめの異常に気付いたのはまず毛の色でした。
気付けば「脇」の毛を舐めていたのですが最初はあまり気にしておらず、頻繁に舐めているので脇まわりを見ていたら毛の色が涙やけのように赤くなっていました。
同時に耳の裏側がベタベタし始め、こちらは耳洗浄できれいになるのですが、すぐにベタベタに。
耳洗浄が追い付かず、フケのようなものまで出てきてしまったので病院へ連れていくと「マラセチア」とのことでした。
【マラセチアが原因の外耳炎】
特に垂れた耳の中は通気性が悪く、マラセチアにとっては好条件。
耳垢は茶色く(黒っぽい)ベタベタして、独特の臭いがあります。
とても痒いらしく、頻繁に耳を掻いているようならば要注意!!
【皮膚炎の症状】
今回我が家の場合では、頻繁に舐めていたことで皮膚が常に湿った状態だったようです。
手足の先を痒がって舐めたり噛んだりしている場合は気を付けて見てあげて下さい。
症状は…
・皮膚が乾燥している
・ベタベタしている、脂っぽい ・赤くなっている ・フケが出ている |
などです。
耳と同じように「痒い」のが特徴。
【予防と対策】
マラセチアは皮脂と湿度を好みます。
健康なワンちゃんの皮膚にも常在していますので、増殖しないようコントロールすることが大切です。
・ジメジメした環境にならないように除湿などをして部屋の環境を整える
・清潔にする
・薬用シャンプー(必ずペット用で、低刺激のもの)で洗う
※過剰にシャンプーをしてしまうと皮膚が乾燥し、皮脂を増やしてしまうので注意です
ワンちゃんに合った適度なシャンプーの回数は異なります。
・半乾き状態にせずしっかり乾かす
・定期的に耳洗浄をする(我が家では皮膚炎にかかっていないときも必ず週一回)
・脂肪分の多い食事は控える
【人にも感染する?】
結論から言えば、人にはうつりません!
マラセチアは人間の皮膚にもいる菌です。
人も免疫力が低下すればマラセチアは増殖し、皮膚のトラブルになります。
犬と人の常在菌は全く違うものなので、犬から人、または人から犬へうつることは無いようです。
犬から犬へうつることもありませんが、マラセチアはどのワンちゃんの皮膚にもあるものなので、免疫力が低下すれば発症します。
【治療方法と費用】
一般的には皮膚のお手入れと薬の投与で皮膚の状態を改善していきます。
皮膚のサイクルが2週間程度なので、完治するまで一か月ほどかかってしまいます。
今回かかった費用を参考に見てみると
一回でかかる費用はおおよそ4800円ほど。
皮膚検査…1500円
内服薬(14日分)…3290円
この2週間で完治しなかったため、再度14日分のお薬が追加になったので8000円程度の治療費がかかってきました。(診察料は含みません)
同時に下痢・嘔吐もしていたのでその治療費、フィラリアのお薬ももらっている時期なので、ワンちゃんたちの病院代がとんでもないことに!(笑)
余談ですが、ペット保険に入っていればマラセチア性皮膚炎は保険金が適用されます。
重度の場合、完治までに時間がかかりますし、一度治っても毎年同じ時期に発症してしまう子もいるようです。
今回マラセチアと下痢・嘔吐は保険が適用されたので大助かりでした。
マラセチア性皮膚炎を知ることはもちろんですが、それが原因の外耳炎や、搔きむしってしまった傷からの炎症、同じ時期に起こりやすい下痢や嘔吐や熱中症…
小さな体です。何が起きるかわかりません。
すぐにお手入れができる、治療ができる余裕をもっておかなければいけませんね!
今は完治して皮膚も耳もきれいになりました。
悪化してしまう前に早めの診察、普段からコミュニケーションを取っていち早く愛犬の異常に気付けるように心がけたいですね♪