町内会の最近の回覧板、以前にもまして、犬に厳しい気がします。
そう重いのは、犬を飼っているうちだからでしょうか。
マナーを守らないごく一部の飼い主が取った行動、そこからが発端なんですが。
フンを持ちかえらない人たちが意外と多いのには驚きました。
しかも草の茂みに隠すようにして立ち去ろうとする人、散歩中でも手には何も持たないで、手ぶらで歩いているというお父さんたちも多いですね。
ずっと尾行するわけにもいかないので、困ったものですね。
2~3日前の回覧板に載っていたことは、①無駄吠えをする犬のこと、②散歩の時のマナーとして、フンは持ちかえることは、当然のこととして、『オシッコをしたら水をかけて流すようにしましょう』というものでした。
そして③「家でトイレを済ませてから散歩しましょう」という極論も書かれていました。
公共の道路を汚さないようにするため、それは理想ですが、なかなか家の中で済ませてくれない犬にとって、困ったこととなりました。
無駄吠えの問題は、ここ数カ月のこと、1軒のお宅の飼い犬のことらしいのです。
吠える犬の身にもなると、無駄に吠えているのではないと思うのですが・・・。
何か、理由があるのではと思います。
【無駄吠えの原因?】
よく無駄吠えといいますが、犬はもともと吠える動物なのだという説があります。
吠えることは「無駄」ではないのです。
犬が吠えるということには、きちんとした理由があるからなんです。
吠える原因として5つくらいあるようです。
・ストレスから吠える場合
犬にとってのストレスとは、飼い主の飼い方に問題があるということになりますね。
その吠えている犬にとって、良い環境かどうか、散歩など運動をしたい、外に出たいなどの欲求があるにも関わらず、飼い主が守ってくれないなどがストレスとなり、それを理解して欲しいために飼い主に必死に訴えている可能性もあります。
・犬の警戒心、自分のテリトリーを守るために吠える場合
犬はもともと自分の「縄張り」テリトリーを持つ動物です。
そのため、誰か不審者が自分のテリトリーに入ってきたのではないかという警戒心から吠えることが多いですね。
これは、本能なのでこの特性を利用したのが「番犬」としての仕事です。
泥棒が侵入してきても吠えなければ、番犬としての意味はありませんから。
・今までの体験からの恐怖心からの場合
仔犬のころのしつけ教室などで、犬の社会について学ぶことができ、犬の社会性を身につけることができますが、受けないで大きくなってしまった場合、何かに対しての恐怖心を解決できないまま生きていることになります。
また、飼い主から虐待を受けて、管理センターなどに保護された犬の場合は、心を閉ざしてしまいがちになります。
幸い、新しい飼い主に引き取られても、何かのきっかけでその虐待の恐怖心がよみがえり、吠えてしまうということも最近では多くなったようです。
・飼い主への要求を「吠える」という形で表している場合
犬が、飼い主に対して何かをして欲しい時に吠えるという行動で示すのです。
なにしろ、犬という動物は「言葉」で気持ちを伝えることができませんから。
また、初めは「要求」といったはっきりした形ではなくても、犬が吠えた時、偶然にも飼い主がおやつや食べ物をあげてしまったことを、犬が記憶していておやつが欲しいという要求=吠えるということで、おやつがもらえると思ってしまい吠えるということを覚えたということもあります。
この場合は、飼い主の責任も大きいようですね。
・興奮して吠える場合
飼い主や家族が帰宅した時に、嬉しくて吠えるなどが当てはまります。
他の吠え方と違い、かん高いキャンキャンという吠え方をします。
もともと感情を表しやすく幸福しやすい犬にみられます。
猟犬や牧羊犬、番犬に適している犬種に多くみられます。
こゆきもこれに入るのでしょうか・・・夫が帰宅すると、車を停めた瞬間から興奮し、このような吠え方をします。
そして、とび跳ねながら、私の方を見て「ほら! お父さんが帰ってきたよ」と振り返ります。
きっと教えてくれているのですよね。
でも夫が家の中に入り、ダッコして「ただいま」というと、そこで吠えなくなります。
犬が吠える理由は、それぞれあるので、「病気」としてみてよいかということ、疑問です。
もし、病気として捉えるのであれば、認知症の症状の1つではないでしょうか。
無駄吠えが多くて、と診察を受けたら認知症が始まっていたという場合です。
無駄吠えで認知症が発見されたケースですね。
それをひとくくりで、「犬の無駄吠えをなくすための処方」という形で、犬の気持ちをかたづけないで欲しいものです。
【夜になると吠える無駄吠え】
以前飼っていた先輩犬の話になりますが、17歳近くの高齢犬、目も白内障を患い、あまり見えなかったと思いますが、それでも家族と他の人、庭が面しているお隣りの人は、認識できて吠えることはありませんでした。
でも東日本大震災の年の夏ごろから、夜になると外の自分の小屋の中から庭の中を見渡し吠えるようになったのです。
震災からの不安、目がよく見えないため、何かが動いただけでも不審者と思って吠える、身体的には、高齢から腰を痛めてしまい、夜になると「痛くて吠えていた、訴えていた」と思っています。
夜の闇の中で、痛くてもじっと我慢する辛さをわかって欲しかったのだと思いました。
毎晩夜泣きのように吠えるので、家族が交代でトイレをさせようと道路を少し歩かせたりしていました。
その時には、近所から何も言われませんでしたが、迷惑がかかると思い、家の玄関の中で飼う事にしたのです。
家族が通っている、家族の傍にいるという安心感からか、夜泣きはしなくなりました。
きっとご近所には「無駄吠え」と思われていますが、きちんと理由のあった吠え方でした。
【大事なことは飼い主がその犬に向きあい、愛情を注ぐこと】
吠えることには、理由があるのでそれを取り除き、たくさんの愛情を注いであげることだと思います。
「無駄吠えの犬」とかたづけないで欲しい、無駄吠えと決めつけるのは私達人間の身勝手さです。
深刻な被災犬、心の片隅に以前の飼い主のことを忘れないでいるかもしれません。
また虐待された揚句に管理センターに保護された犬、でも虐待されても飼い主のことを覚えています。
愛情に飢えてしまったんですね。
閉ざしてしまった傷を負った心が、いつか開き、人間を受け入れてくれる時を待ちましょう。
吠えることは「無駄ではない」と、信じます。